2020/03/26
例えば、このような6区画に割った分譲地があるとしたら、
A、B、Cの土地とD、E、Fの土地では、
一般的に価格設定が異なります。
環境も利便性も全く同じであるにも関わらず、です。
というのも、A、B、Cの土地は、
道路が南に接しているのに対し、
D、E、Fの土地は、
道路が北に接しているためです。
つまり、A、B、Cの土地は、
日当たりのいい明るい家が建てられそうだから
価格が高く設定されているのに対し、
逆に、D、E、Fの土地は、
日当たりよく家を建てるのが難しそうで、
暗い家になりそうなイメージがあるから、
価格が安く設定されているというわけですね。
こういった分譲地の場合、
一般的には、南道路であるA、B、Cと
北道路であるD、E、Fとの価格差は、
坪単価にしてみると2~3万円の開きがあります。
土地の広さが50坪だとしたら、
100万円~150万円ぐらいの差ですね。
しかしながら、
北道路の方が安く買えるにも関わらず、
人気があり、先に売れていくのは、
常に価格が高い南道路の方です。
仮に、10組のご家族がいらっしゃるとしたら、
その中の9組、いや全てのご家族が、
高い方の土地を検討されているのではないでしょうか?
そして、みんながみんなこの南道路の土地を、
不動産屋さんの言い値で買わざるを得なくなります。
土地の供給量よりも需要が高くなってしまうため、
必然的に価格交渉の余地がなくなるからです。
一方で、北道路のD、E、F土地は、
需要量が供給量を上回ることがないため、
焦ってその場で即決する必要がありません。
また、土地の売れ行きが悪かった場合、
値引きしてくれる可能性も高いため、
価格交渉が上手くいけば、
南道路のA、B、Cの土地に比べて、
200万円以上も安く買えた、なんてことも充分にあり得ます。
それゆえ、少しでも家づくりの予算を抑えたいとお考えであれば、
南道路の土地ではなく北道路の土地を購入すべき、なんですよね。
✔家を明るくするために日当たりは関係ない?
家を建てる場合、
多くの方がローンを組むと思いますが、
その金額は1円でも少なくなるようにすべきです。
そして、そう考えれば、
本当は、土地も1円でも安く購入した方がいいのですが、
それでも、多くの方が日当たりのいい土地を買ってしまうのは、
直射日光を採り込むことに夢中になり過ぎているから、
なんですよね。
直射日光を中心に窓をつくると、
太陽が射し込んでくる方向に、
大きな窓をたくさんつくってしまいます。
しかし、南道路の土地で、
太陽が射し込む南に大きな窓をつくった場合、
家の中は確実に丸見えになってしまいます。
そして、人目を避けるために、
眩しい直射日光を避けるため、
暑い直射日光を避けるため、
カーテンやシャッターを設置せざるを得なくなってしまいます。
結果、家が暗くなってしまったり・・
窓開けられなくなってしまったり・・
思い描いていた暮らしとは全く違う現実に直面してしまう、
というわけですね。
わざわざ、ローンの負担が上がる
高い土地を買ったにもかかわらずです・・・
光には、直射日光と天空光の2種類があります。
そして、安定した明るさを常に保つためには、
北窓から入ってくるような、
やさしい光である天空光が必要です。
また、直射日光も、
壁を上手く利用し反射光として室内に採り込めば、
安定した明るさを保つことが出来るようになるし、
日当たりが悪そうな土地でも、
間取りを工夫すれば、採り込みたい場所に
直射日光をたっぷり採り込むことも出来ます。
明るい家になるかどうかは、
実は、土地の日当たりの良し悪しは
無関係であると言っても過言ではありません。
いや、むしろ日当たりが良い土地を買ってしまうと、
間違った設計を引き起こしかねないので、
避けた方が賢明であると言っても、
決して言い過ぎではないかもしれません。
ですから、住みやすい家を建てるためにも、
そして同時に家の予算をイタズラに上げないためにも、
土地の良し悪しを、日当たりの良し悪しで
決めないようにしていただければと思います。
それでは、、、