安い家には理由がある?

2019/11/17

“坪単価”は、住宅会社を判断する指標の1つとしてすっかり定着していますが、

たとえ同じ会社でも、建てる家によって全然違ってくるものなので、

そのご質問に答えることは極めて難しいものです。

 

例えば、あなたが建てたい家が

平屋か2階建てかによっても大きく違ってくるし、

同じ平屋や2階建てでも、家の形状によって大きく違ってきます。

 

また、使う材料によっても、もちろん大きく違ってきます。

 

そして、これらは全て、あなたがどのような暮らしをしたいのか? や、

その敷地環境がどのような状態なのか? によって決まるものなので、

先に坪単価で価格を判断されるとなると、

その敷地に合わせた本当に住みやすい家を提案することが出来なくなってしまう・・・

というのが、私自身の本音です。

 

家づくりでは、かけるべきコストというものが確実に存在します。

 

まずは、耐震や断熱といった見えなくなるところですね。

 

例えば、少しでも建築コストを落とそうと

断熱工事にかけるコストを削ってしまった場合、

逆にランニングコストとなる光熱費が高くなり、

長い目で見ると損をしてしまうことになります。

 

もし、最初の建築費用で50万円ケチったことで、

毎年10万円ずつ余分な光熱費を払わなければいけなくなるとしたら・・・?

 

もしその家に40年住むと仮定したら、

10万円×40年―50万円=350万円も損することになってしまうわけですよね。

 

また、将来リフォームをする際に、

莫大な費用を掛けないといけないことになってしまうのも、

見えない部分をないがしろにしてしまった時に想定されることなんですよね。

 

(1000万円を超えることも不思議ではありません・・・)

というのも、耐震補強&断熱補強を行なうとなれば、家を丸裸にして、

全てやり直す大掛かりな工事となるからです。

 

ですから、見えなくなる所というのは、

最初の建築時にしっかりとお金を掛けておく必要があります。

 

●暮らしを豊かにするために必要なコストとは?

 

そして、家づくりでは、住みやすい家にするためにも、

掛けなければいけないコストというのが存在します。

 

例えば、南からの日当たりが悪そうな場合、

1階のリビングの南に大きな窓をつくっても、

太陽の光線が入ってくることはまずないので、

吹抜けをつくったり、リビングの位置を変えたりと、

柔軟な思考を持ってプランを考える必要があります。

 

そうなれば延床面積には含まれないような余分な面積を施工することになり、

必然的に余分なコストがかかってくることになります。

 

しかしながら、そのコストをケチってしまったとしたら、

待ち受けているのは薄暗く、風通しも悪く、寒い、

ジメジメした家族団らんスペースです・・・

 

そんなところで一生暮らして行くのは、非常に酷な現実ですよね?

 

また、それを解消するためにリフォームをしなければいけなくなり、

そのために数百万円もの余分なコストがかかることになるのも、絶対に嫌ですよね?

 

あるいは、たとえ日当たりが良かったとしても、丸見えの家では

とてもじゃないけど落ち着いて家の中で過ごしづらくなってしまいます。

 

ですから、こんな場合でも太陽の光線をリビングに入れつつも、

くつろいで過ごしやすくするために、プランに工夫を加える必要があります。

 

もちろん、この工夫にもコストがかかるわけですが、

カーテンやシャッターなどの余分なコストがカット出来るようになるというメリットもあるし、

この一工夫を加えたことによって、明るさとプライバシーだけじゃなく、

風通しや防犯性、それからデザイン性までもアップすることになります。

 

端的に申し上げると、坪単価の安い家というのは、

性能が悪く、住みにくく、またランニングコストが高くついてしまう家でもあるし、

至る所の使い勝手が非常に悪くなりやすく、

住みやすさに劣っている家であることは間違いありません。

 

建てる時のことだけじゃなく、建てた後のことまで考えた上で家を建てること。

 

つまり、イニシャルコストとランニングコストのバランスを考えること。

 

それから、イニシャルコストを考える時、坪単価で考えるのではなく、

予算の中で出来る家を考えるようにすること。

 

これが家づくりでは、非常に大切なことであるということを

覚えておいていただければと思います。

それでは、、、

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